エリックアンプストーリー
デニスコーネル氏自らDC Developmentsがどのようにしてエリッククラプトンのアンプの問題を解決することになったのかについて語ってくれました。

「思いがけずエリッククラプトンのギターテクニシャンから電話をもらい、僕宛の手紙を預かっていると言われたんだ。エリックは、サウンドに問題をかかえていて、それを僕ならなんとかできるはずだと書いてあった。彼は2台のツインアンプを使っていたが、それがもはやツインアンプとしての音をださなくなっていると言っていた。エリックは、フェンダーのバイブロ・キングというアンプを使っていて、ミッドのレスポンスが悪いことに気が付いた。アンプは、ベースとトレブルを切って、ミッドが目いっぱいになっているのにもかかわらず、まだベースとトレブルが大きい。僕はちょっとイコライザに調整を加えて、トレブルのレスポンスを切ってみたが、クリーンで切れのよい音をだしてしまうジャンセンスピーカーのせいで、ミッドまだ十分ではなかった。
確かに調整はある程度助けにはなったものの、最終的にエリックが自分専用のカスタムアンプを持つことを決めたときには、さすがにうれしかったよ。
エリッククラプトンの音楽に対する目標は進化を遂げることであり、常に新しいスタイルを生み出して、自分が最終的に聞きたい音というものを正確に把握している。僕の仕事は、そういった彼の要望に答えて完璧なアンプを作ることだった。彼の欲している微妙な点を考えると、やりがいがあった。すべての作業は、エリックのギターテクニシャンであるリー・ディクソンと綿密に打ち合わせをしながら行われた。彼は、エリックの音を誰よりも知っていたからだ。リーは、とっても協力的で、彼とはトーンだけでなく、機能や外観をどうするかについてもかなりの時間を一緒に費やした。そしてついに僕らは、エリックの古いTWINアンプにかぎりなく近くて、それでいてミッドのきいたブルースサウンドを作り上げることができた。
僕らは、チャンネルを2つ作ることにした。チャンネル1は、ボリューム、ベースとトレブルで成り立っている。イコライザは、エリックの1956年製ツインアンプに近いもので、トーンの調整に左右されることなく、温かみのあるミッドレスポンスが効いている。それは、とても単純な、”差し込めばOK”といったものだった。
チャンネル2は、ボリューム、ベース、ミッドそしてトレブルだ。この調整は、いわゆる通常のイコライザよりもずっと複雑なものだった。各コントロールは、それぞれのチューブステージを持っていて、ワイドレンジコントロールができるので、どんなポジションにしてもいいトーンに達することができる。
出力ステージは4本の6L6出力チューブを使用していて、余裕で80ワット出力できるクラスA/Bで動作させている。さらに20ワットに出力を減らす電源スイッチがある。スピーカーは「トーンタビー」という麻のコーン型を使用した。僕たちは、少なくとも10種類の異なったスピーカーをテストしたが、最終的にこれがエリックの要求に近いものと判断して決めた。キャビネットはバーチの合板で作り、古く見えるように細工したフェンダーツイードで覆った。これが、クイーンズジュビリーコンサートで使用されたアンプで、エリックのギターは、チャンネル2のほうにつながっていた。また、エリックはこのアンプをアルバムRingoのレコーディングや、ブランズハッチでのフェラーリコンサートでも使用した。しかし、その後エリックはアンプをできるだけシンプルにしたいと考えたんだ。それで、今はチャンネル2を取り外したんだ。」

価格:OPEN PRICE

SPECIFICATIONS
Details:80 watt, switches to 20 watt. Class A/B Main Features:High and Low inputs. 2 band EQ
Controls .Volume; Bass; Treble.
Combo:2 x 12 Tone Tubby hemp cone speaker.
Size & Weight (approx.)H500mm xW660mm x D275mm H20" x W26" x D12" 36kg / 80lbs
Ext. 2x12 cab H500mm x W660mm x D275mm H20" x W26" x D12" 28kg / 62lbs